専門チーム活動
感染制御チーム
感染制御チーム(Infection Control Team、以下ICT)とは、感染管理を担当する医師・看護師・臨床検査技師・薬剤師などで構成される専門職のチームです。感染症患者様への適切な治療の推進と、院内感染の予防を中心に活動しています。
薬剤師の役割
院内における抗生剤・消毒剤の適正使用の推進、抗生剤の有効性・安全性を高めるためのTDM(治療薬物モニタリング)の実施、医療薬学的知識に基づいた投与設計への関与などがメイン業務です。
医療の現場で実際に感染防止に取り組んでいるICTの一員として、根拠に基づいた院内感染制御の実施に向け、薬剤師の専門性を発揮すべく取り組んでいます。
<抗菌薬適正使用の推進>
病院内で、感染症の治療に用いられる抗生物質が適正に使用されるよう、使用状況のモニタリングを行ったり、患者様個々に応じた処方の設計に参画したりしています。
院内感染で問題になる耐性菌の出現は、抗生物質の誤った使い方が関与していることが明らかになっています。抗生物質の使用状況や細菌に対する薬剤感受性率を把握し、毎月行われる院内感染対策委員会で報告、偏った抗生物質の使用や、薬剤感受性率の低下が認められた場合には問題点を検討した上で対応策を実施しています。また、各感染症領域において推奨される抗生物質を医師が選択できるよう、ガイドラインを参考に作成した院内マニュアルを各部署へ配布しています。
患者様に抗生物質を投与する際、特に安全管理が必要な抗生物質(抗MRSA薬、カルバペネム系薬)の場合には全症例に薬剤師が介入しています。有効濃度に達しない用量で抗生物質の投与を続けると耐性菌の出現につながり、逆に有効濃度以上の血中濃度が続くと副作用発現のリスクが高まります。TDM(治療薬物モニタリング)を行うことで個々の患者さまに応じた投与量の設計を提案しています。抗生物質の投与方法について、薬剤師の意見を求められるケースも増えています。
<消毒薬適正使用の推進>
感染症の発生を事前に防止するため、また発生した感染症がさらに広がらないように管理するためには消毒薬の適正使用も重要です。必要とされる濃度以下で使用していると、消毒効果が得られないばかりか消毒薬自体が細菌で汚染される危険があります。適切な消毒薬を適切な濃度・適切な方法で使用されるよう院内マニュアルを作成しています。
その他、開封後の使用期限なども設定しています。
<チーム医療での活動>
当院では、医師、看護師、薬剤師、診療協力部、事務部など多職種から構成される感染対策委員会、ICT部会が設置され、組織化体制での感染制御を行っています。感染防止は医療の安全性確保であり、感染の発生は医療事故ともなります。万が一何らかの感染症が流行した場合や耐性菌が蔓延した場合には、迅速に対応策を協議・決定し、実行します。
薬剤師は、ワクチン接種や予防薬投与の必要性の有無・投与対象者の検討、使用抗菌薬や消毒薬の検討などを中心に行います。
その他、職員教育のため院内勉強会を実施しており、主に消毒薬や抗菌薬に関する内容についての教育を担当しています。
感染制御専門薬剤師・認定薬剤師
当院では2010年4月現在、2名の薬剤師が認定薬剤師の資格を取得しました。その他1名が取得に向けて、実務に励んでいます。認定資格を取得したものはさらに、専門薬剤師の資格取得を目指して研鑽しいています。
抗菌薬の届出制・許可制
当院では抗菌薬の適正使用を目的に、一部の抗生物質に関して、事前申請による届出制・許可制を実施しています。対象の抗菌薬に関しては、医師は事前に使用届を提出してもらっています。薬剤部に使用届が提出されると、薬剤師は患者様の状態や薬剤選択の理由、投与量の指示などを確認し、処方に問題がない場合のみ使用が開始されます。
<対象抗菌薬>
抗MRSA薬
抗VRE薬
カルバペネム系抗菌薬
<医療薬学会年会発表>




